ダブルダイヤモンドのデザインプロセス – 製品デザインを成功に導くおすすめのフレームワーク
ダブルダイヤモンドのデザインプロセスは、問題の特定や、ソリューションの開発のために広く使われている方法論であり、この成果ベースのフレームワークは、核となる問題とエンドユーザーへの影響に焦点を当てながら、創造性と革新性を促します。
世界最先端のプロトタイピングツールで、より良い製品をユーザーに届けませんか。無料トライアルにサインアップして、UXPin によるインタラクティブなプロトタイピングをぜひお試しください。
ダブルダイアモンドとは
ダブルダイアモンドモデルは、2003年にブリティッシュデザインカウンシルによって開発されたイノベーションとデザインのためのフレームワークです。デザインカウンシルは、どのような手法やツールを用いても、プロジェクトを実現するためのシンプルなデザインプロセスを求めていました。
デザインのフレームワークには2つのダイヤモンドが以下のようにあしらわれています:
- 問題を表すダイヤモンド
- ソリューションを示すダイヤモンド
デザイナーはこのダイヤモンドの中で仕事をし、このダイアモンドで彼らは問題を真に理解し、ソリューションを徹底的にテストすることができます。
デザイナーは、最初のダイヤモンドで核となる問題を特定すると、2番目のダイヤモンドの基礎となるデザインブリーフを作成します。2つ目のダイヤモンドでは、プロトタイプを作成し、リリース準備が整うまでソリューションをテストすることに重点が置かれます。
ダブルダイヤモンドデザインプロセスの起源
私たちがデザインフレームワークとして知っているダブルダイヤモンドは、ブリティッシュデザインカウンシルから生まれたものですが、このプロセスは、ハンガリー系アメリカ人の言語学者であるベーラ・H・バーナシー氏の「発散-収束モデル」から影響を受けています。
ベラのモデルは、最初のダイヤモンドを使って問題を広く深く探求し(発散的思考)、次に適切な集中的な行動をとる(収束的思考)というデザインフレームワークと非常によく似ています。
ダブルダイヤモンドデザインプロセスにおける4つのフェーズ
ダブルダイヤモンドのデザインプロセスは、2つのダイヤモンドと「4D」とも呼ばれる以下の4つのフェーズで構成されます:
- 発見(Discover)
- 確定(Define)
- 開発(Develop)
- 提供(Deliver)
ダイヤモンド1 – 問題の発見と定義
最初のダイヤモンドは、UXリサーチと探索に関するもので、多くの場合「問題空間」と呼ばれます。 ‐ デザイン思考プロセスの共感と確定のステージに似ていますね。
デザイナーはまず、問題とユーザーのニーズを調べることから始めますが、このフェーズには、アナリティクスや UX成果物のレビュー、エンドユーザーへのインタビュー、サービスサファリの実施、その他の初期段階のリサーチ方法が含まれる可能性があります。
第2フェーズでは、デザイナーは「発見」フェーズでのリサーチを用いて、問題とそれがユーザーに与える影響を確定しますが、デザインチームは、核となる問題にたどり着くまで、第1フェーズと第2フェーズを何度か繰り返すことがあります。そしてデザイナーが作成する UX 成果物には、以下のようなものがあります:
- ユーザーペルソナ:対象とするユーザーの架空の人物像で、その特徴やニーズを概説する。
- カスタマージャーニーマップ: タッチポイント間のユーザー体験を可視化した成果物。
- 問題ステートメント:取り組むべき具体的な問題を簡潔に表現したもの。
- 共感マップ:理解と共感を促進するために、ユーザーの思考、感情、行動を図示したもの。
第2フェーズの最後では、デザイナーはデザインブリーフを作成して、それをデザインプロセスの後半で適切なソリューションを見つけるための指針とします。
ダイヤモンド2- ソリューションの開発と提供
2つ目のダイヤモンドでは、適切なソリューションを見つけるためのアイデア出し、プロトタイプおよびテストを行います
開発のフェーズでは、ダブルダイヤモンドのフレームワークの中でも、チームが以下のようなさまざまなツールや手法を用いる忙しいフェーズです:
- ワークショップとブレーンストーミング:チームとして集まって、アイデア出しや仮説立て、実験の実行、可能性のあるソリューションについての話し合いを行う。
- 低忠実度(Lo-Fi)デザイン:スケッチ、ワイヤーフレーム、ペーパープロトタイプなど、デザイナーが多くのアイデアをサッと開発してテストするのに使われる、忠実度の低い(Lo-Fi)メソッド。
- 部門横断での連携:デザイナーは、エンジニア、プロダクトオーナー、その他のステークホルダーとミーティングを行い、可能性のある課題や制約に関するフィードバックを得るためにアイデアを話し合う。
開発のフェーズは、デザイナーが以下の点において最も可能性の高いソリューションを1つ特定するまで、アイデア出しやプロトタイプ、さまざまなアイデアのテストを繰り返すプロセスです:
- 問題を解決する
- ユーザーのニーズに合わせる
- 予算と技術的制約を満たす
状況によっては、デザイナーはソリューションを1つ選ぶか、いいと思うアイデアを2つ3つ選んで、提供のフェーズで忠実度の高いプロトタイプとテストを行います。まずは、1つのソリューションにたどり着くまで、うまくいかないものを排除することを目標にします。
それでデザイナーは、1つのソリューションにたどり着くと、最終的なプロトタイプを改良すべくさらにテストを行います。この一連のテストにおいて、デザイナーは、最終的な結果でデザインブリーフとステークホルダーが確実に満足できるように、ユーザビリティと UX(ユーザーエクスペリエンス)に焦点を当てます。
また、デザイナーは問題に遭遇すると、ソリューションを見つけるために開発のフェーズに戻り、ソリューションが見つかるまで反復とテストを繰り返します。
プロトタイプとテストが完了すると、デザインチームは、ドキュメント、注釈、アセット、他にもエンジニアがリリースのために最終製品を開発するのに使う指示など、デザインハンドオフに備えます。
あとは、デザインチームは UX監査と QA(品質保証)を実施し、最終リリースが確実にプロジェクトの要件、ビジネス目標、ユーザーニーズを満たしているようにする必要があります。
ダブルダイヤモンドデザインプロセスの使い方
ダブルダイアモンデザインプロセスをワークフローに活用する実践例を見ていきましょう。
第1フェーズ:発見
- ユーザーリサーチ:ターゲットユーザーへのインタビューやアンケートを実施する。
- 市場調査:競合他社や業界動向の調査
- ステークホルダーへのインタビュー:ステークホルダーからインサイトを得る。
- 共感マップ作成:共感マップを作成して、ユーザーの感情や動機を理解する。
第2フェーズ:確定
- データの統合:親和図を使ってパターンを特定する。
- 問題提起:明確で簡潔な問題ステートメントを作成する。
- ユーザージャーニーマップ:ユーザージャーニーをマッピングして、ペインポイントを特定する。
- デザインブリーフ:プロジェクトの目標と制約をまとめたブリーフを作成する。
第3フェーズ3:開発
- アイデア出し:共同ワークショップを通じてソリューションをブレインストーミングする。
- プロトタイプ:ワイヤーフレームやスケッチを作成する。
- ユーザーテスト:実際のユーザーとプロトタイプをテストする。
- イテレーション(反復):フィードバックに基づいてデザインを改良する。
第4フェーズ:提供
- 高忠実度(Hi-Fi)プロトタイプ: 忠実度の高いモックアップでデザインの詳細を最終決定する。
- 開発:デザイナーとデベロッパーの密接な連携により、サイトを構築する。
- 品質保証:広範なテストを実施する。
- 立ち上げと監視:サイトを立ち上げ、継続的にパフォーマンスを監視し、さらなる改善を図る。
ダブルダイヤモンドデザインプロセスに従うことで、徹底したユーザー中心のアプローチで新しいサイトをきちんとデザインできることから、ユーザーのニーズを深く理解し、ソリューションを探って改良を重ね、最終製品を効果的に実装して立ち上げることによる、成功の可能性の最大化につながるのです。
UXPin でエンドツーエンドのUXデザインを試してみよう
プロトタイプとテストは、ダブルダイアモンドフレームワークなどのエンドツーエンドのデザインプロセスにおいて重要な意味があります。デザイナーは、潜在的なソリューションの徹底的なテストや正確な結果の獲得のために、高品質のプロトタイプの使わないといけません。
残念ながら、高忠実度のプロトタイプは、特定のツールでは時間がかかることがあり、ダブルダイヤモンドのデザインプロセスで多くのアイデアをテストするには理想的ではありません。
UXPin の完全インタラクティブデザインなら、デザイナーはスピードのために品質を妥協する必要はなく、最終製品のような外観と機能を備えた、忠実度の高いプロトタイプを作成できます。そしてより良いプロトタイプだと、テスト時に正確な結果がもたらされることで、デザイナーは画像ベースのデザインツールでもっと色々できるようになります。
UXPin には組み込みのデザインライブラリも標準装備されていることから、デザインチームはコンポーネントをドラッグ&ドロップして、忠実度の高いモックアップを数分で作ることができます。数回クリックすれば、インタラクションを追加して、以下のコードのような機能を持つプロトタイプを作成できます:
- ステート:任意の要素に対して複数のステートを作成し、それぞれに個別のプロパティとインタラクションを設定できる。
- 変数:ユーザーの入力を捉えてデータに基づいたアクションを実行することで、ダイナミックで個別化された UX(ユーザーエクスペリエンス)をテスト中に作成する。
- 条件付きインタラクション: 「if-then 」と「if-else 」のルールを作成し、ユーザーのアクションや入力に対してさまざまな反応を実行する。
- Expression:フォームのバリデーション、計算コンポーネント、パスワード認証のシミュレーションなど、従来はコードでしか実行できなかった複雑な操作を実行する関数をデザインする。
どんなフレームワークでも、UXPin だとデザインプロセスを強化して、顧客により良いユーザー体験をお届けできます。無料トライアルにサインアップして、UXPin によるコードベースのデザインの可能性をぜひご体験ください。