モバイルアプリとWebアプリ【違いと各メリット】
モバイルアプリとWeb アプリのどちらを導入するかを決めるのは、いつも簡単というわけではなく、UX(ユーザーエクスペリエンス)や技術的な制約、費用対効果や拡張性など、決断前に考慮すべき要素は数多くあります。
そこで本記事では、どのアプローチがプロジェクトに最適かを、十分な情報に基づいて判断できるようにするため、『Webデザイン』と『モバイルアプリデザイン』の違いについて見ていきます。このヒントに沿って、UXPin の無料トライアルにサインアップし、これから開発するモバイルアプリやウェブアプリのような見た目や動きのある高度なプロトタイプを構築可能なエンドツーエンドのプロトタイピングツール UXPinをぜひ無料でお試しください。
モバイルアプリ とは
モバイルアプリは、携帯可能なモバイルデバイスのために特別に設計されたツールであり、その形態はさまざまです。単機能の小さなアプリケーションから、より複雑で多機能なモバイルプラットフォームまで、それぞれがユーザーに質の高い体験を提供してくれるはずです。
アプリの目的と範囲は大きく異なり、それによって人々はゲームやレジャーからビジネスや専門的な追求に至るまで、さまざまな活動ができます。
アプリを開発する際、製品開発チームは、アプリを作成するデバイスの画面サイズと OS(オペレーティングシステム)の考慮が必要なことがよくありますが、モバイル技術の急速な進歩に伴い、現在では多くのアプリがクロスプラットフォームの互換性を考慮して作られており、さまざまなデバイスやプラットフォームのユーザーがアプリを楽しむことができます。
現在利用できるモバイルアプリの種類は以下の通りです:
- ネイティブ:通常、単独のプラットフォームや OS(iOsアプリやAndroidアプリ)向けに開発される。
- ハイブリッド:再利用可能なコードを活用し、少ない労力と費用でネイティブに近い UX(ユーザーエクスペリエンス)を提供する。
- PWA:Progressive Web Appsの略で、HTML、CSS、JavaScript、その他のフレームワークで作られたモバイルWebアプリのことである。
モバイルアプリ の利点
- 効率的に動作する(モバイルデバイス向けにネイティブに作成されている)
- インターネットに接続せずにオフラインで作業できる
- より良い分析、つまり、より正確なデータ収集とコンバージョントラッキングが提供される
モバイルアプリの欠点
- 設計にコストがかかり、維持はもっとかかる
- iOSとAndroid で別々のアプリの構築が必要
- プライバシーやセキュリティの維持は自己責任
Webアプリ とは
Webアプリは、ユーザーがインターネットに接続できる端末であれば、Webを通じてアクセスできるので、ユーザーはブラウザ上で動作するのに、PCに別のアプリケーションをインストールして管理する必要がありません。その点においてアクセシビリティが向上するでしょう。
Webアプリケーションを使うメリットは、従来のWebサイトと比べて、AngularJS や ReactJSといった強力なフロントエンドフレームワークのおかげでよりインタラクティブなUXを実現できることです。
このフレームワークによって、アプリ開発者はダイナミックなシングルページアプリケーションをサクッと構築することができ、それによって別々のビュー間のスムーズな遷移が実現され、ユーザーからの入力を受けたときに素早く反応することができるのです。
Webアプリケーションは、セキュリティを犠牲にすることなく、驚異的な性能やスケーラビリティを提供するため、よく使われるソリューションとなっています。
Webアプリの利点
- サーバーにホストされ、ブラウザのインターフェースを通じてインターネット上で配信される。
- 遠隔地のサーバーに保存され、ブラウザーのインターフェースを通じてオンラインで供給されるため、ユーザーは更新プログラムのインストールが不要
- Web開発チームによるメンテナンスが簡単
Webアプリの欠点
- 使用にはインターネットへの接続が必要
- 読み込みに時間がかかる可能性がある – サーバーに負荷がかかると、アプリのコンテンツがすぐに表示されず、UXに深刻な影響を与えることがある。ユーザーの離脱を引き起こしてしまうこともあり得る。
- ターゲットオーディエンスに発見されにくい – Webアプリはアプリストアに載っていないため、アプリストアのプロモーションにはならない。Product Hunt、Capterra、ITreviewなどのレビューサイトは、ウェブアプリを宣伝する適切な方法ではあるが、Apple や Android のアプリストアに比べると今ひとつ。
モバイルアプリ と Webアプリ の違いについて語る
ここで、モバイルアプリとWebアプリの違いをサクッと見てみましょう。
- Webアプリはほぼすべてのブラウザからアクセスできるが、モバイルアプリはアプリストアからのダウンロードが必要。
- 画面サイズの要件の違い。モバイルアプリはデスクトップでアクセスすることができないことから、小さな画面専用に作成されるため、ピクセル数が少なくなるが、Webアプリは、モバイルとデスクトップの両方でのアクセスが可能。
- モバイルアプリはインターネットに接続しなくても使えるが、Webアプリは使えない
- Webアプリはインターネット接続が必要でウェブブラウザに依存するため、モバイルアプリに比べて動作が遅くなりがち。
- デザイナーとして、高いユーザビリティとアクセシビリティの基準を確保するには、「パソコンは大抵座って使う」、「アプリのユーザーは通勤やジョギングで携帯電話を使っているであろう」というようなさまざまなシナリオの考慮が必要。
- モバイルアプリは、Webアプリよりもセキュリティが高度であるため、モバイル アプリの開発では、2 要素認証やその他安全性を上げる手段を作成することで、それに対応すべきである。
モバイルアプリとWebアプリの選択に関する有効な方法
ここでは、モバイルアプリとWebアプリのどちらを選ぶかを決める際に、最も考慮すべき点をご紹介します。
ユーザーのコンテクストと目的の決定
Web は豊富なリソースと情報をユーザーに提供し、Webユーザーは通常、ゆったりと座ってアクセスします。一方モバイルデバイスは、ユーザーが外出先で情報を検索し、サッと入手するためのユニークな機会を提供します。
モバイルUXをデザインする場合、「必要な情報に最小限の時間で最大限アクセスできるようにする」という目的のもとで、ナビゲーションはシンプルで分かりやすく、よく構造化されたコードが簡潔に書かれ、視覚的に優先順位が付けられている必要があります。
UX デザイナーは、次のようなデザイン要素に細心の注意を払ないといけません:
- 小さな画面のユーザーにとって最も直感的な自然なジェスチャー
- メニュー選択のシンプルさ
- クリアな視覚経路
- フォントや色など、一貫した UI 要素
- クリックやアクセスがしやすいボタンやリンク
- その他、ユーザーナビゲーションがしやすくなるインタラクティブな要素
また、ユーザーが誰でもアプリを最大限に活用し、機能的に使えるようにするため、関連するアクセシビリティ基準とペアになっていないといけません。
結論:Webアプリは長時間のユーザーセッションに適しており、モバイルアプリと競合することはないが、習慣や食事の記録アプリ、モバイルECアプリ、SNSアプリなど、製品が短時間で定期的に使用される場合は、おそらくモバイルアプリが適している。
製品やサービスの必要な画面サイズを見極める
B2Bツールの多くはWebベース化され、ユーザーは携帯電話やタブレットなどのモバイルデバイスからアクセスできるようになりましたが、これは、以下のような理由で有益です:
- ユーザーのデバイスに関係なく、都合よくサッと情報にアクセスできるようになる
- より大きな画面で、より鮮明に、より詳細にコンテンツを見ることができる
- PDFのダウンロードやエクスポートを定期的に行う必要がある場合、PDFはモバイル端末のデータ容量を大きく占め、頻繁に保存すると端末が重くなる可能性があることから、ユーザーはモバイルデバイスよりもデスクトップコンピュータで行う方がはるかに簡単で効率的である。そもそも、モバイルはファイルの閲覧に便利な画面サイズではない。
- ユーザーは、複数のデバイスにファイルを分散させるよりも、1つにファイルを保存することを好むであろうことから、企業がB2Bプラットフォームを最大限に活用するには、Webベースのアクセスの提供が不可欠である。
- コンテンツがはっきり見えないこともあるモバイルだけでなく、より大きな画面でアプリにアクセスできるようにすることで、企業はクライアントに常に良いUX を提供できる。
結論:Webアプリは、多数のチャートや分析データがある複雑な(主に仕事に関連する)アプリに適しており、このようなタイプのアプリでは、通常、画面間を何度も行き来する必要がある。
デバイス固有の機能をリストアップする
例えば、美容製品を販売しているのであれば、一日の大半を過ごす場所であるモバイルデバイス向けに美容アプリを開発する方がはるかに有益です。
このプラットフォームで、より多くのオーディエンスを獲得し、コンピュータでは利用できない複数の機能、特に高解像度の携帯電話カメラを活用できます。この種の製品では、市場での成功には画質が不可欠です。
モバイルビューでアクセスできるWebベースのアプリケーションを設計することで、デバイスのカメラを使うことができますが、他の機能の一部は、モバイルのハードウェアと機能によってのみアクセス可能です。例えば、ランナー向けのアプリを作るのに欠かせなかった、携帯電話に内蔵されたジャイロセンサーやGPSのようなものを考えてみてください。
また、モバイルアプリのUX/UIデザインを設計する際には、大きめのインタラクティブボタンやシンプルなナビゲーションなど、デバイス固有の要素を必ず含めるようにしましょう。さらに、必ずソフトウェア開発チームと協力して、サードパーティ製アプリの統合が完璧に機能するようにしましょう。統合の種類は製品によって異なりますが、SNS、オンライン決済方法、プッシュ通知などがあります。
結論:モバイルアプリには、GPSや高解像度カメラなど、端末固有のハードウェアや機能が付加されていいる。
競合他社の選択肢をチェックする
企業は、何を開発すべきかに関して情報に基づいた判断をするために、新製品やアプリを発売する前に、競合状況の分析をすべきです。
もし、市場のトッププレイヤーの多くがWebベースのソリューションであることが判明したなら、その線を行くのがベストでしょう。彼らはユーザーが便利に使えるプラットフォームでソリューションを作って、そのUXによって目標を達成したのですからね(結局、そうでなければ、このようなアプリが市場でこれほどまでに成功することはないでしょう)。
また、「同じカテゴリの製品にユーザーは親しみを感じる」ことを忘れないようにしましょう。そうすることで、競合他社からこちらに乗り換える場合、あなたのアプリを使い始めるのがはるかに簡単になります。競合他社を徹底的に調査することで、投資する前にチャンスと潜在的なリスクを特定することができるのです。
結論:アプリの目的がカテゴリーに革命を起こすことでないのなら、他の人が成功を収めているプラットフォームを採用する価値はある。そこに、ターゲットとなる人がいるかもしれない。
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この記事を読んで、モバイルアプリとWebアプリのジレンマでどちらを取るかを選べるようになれば幸いです。ユーザーのコンテクスト、画面サイズ、競合他社の状況などが、アプリの成功にどう貢献するかを理解するのに、ぜひ上記の考察を参考にして下さい。
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