【 React ベストプラクティス 】知っておきたい10原則
ReactはUI(ユーザーインターフェース)構築でよく使われるJavaScriptのライブラリであり、Web開発に革命をもたらしました。
そのパワーと柔軟性は有名かもしれません。しかし、上手く使いこなして、プロジェクトの管理と拡張をしやすくするためにはどうすればいいのでしょうか。
そこで、Reactのベストプラクティスを紹介するこの記事の出番です。
このガイドでは、効率的で管理がしやすい、エラーのないコードを作成するのに役立つ、Reactについて覚えておきたい10のベストプラクティスをご紹介します。
Reactコンポーネントの習得から最新テクニックまで、Reactプロジェクトの新機能実装に必要な知識を身につけていきましょう。
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1.コンポーネントのネスティングと親子関係を習得
Reactアプリケーションを作り続けている人なら、コンポーネントのネスティングを知らない人はいないかもしれませんが、これがどれだけ複雑かはご存じでしょうか?
それにはReactコンポーネント内の複雑な親子関係を理解することが非常に重要です。
親コンポーネントは「コンテナコンポーネント」とも呼ばれ、Reactコンポーネント階層の最上位にあります。
また、ステート(状態)の保持として機能し、「子コンポーネント」と呼ばれる小さなコンポーネントをつなぐ役割を果たします。
子コンポーネントが特定の機能やUI要素を扱うのに対して、親コンポーネントはアプリケーションの全体的な構造やデータフローを管理します。
この構造に深く入り込むことで、機能的であるだけでなく、洗練されたアーキテクチャを持つアプリケーションをデザインできるようになります。
2.再レンダリングの最適化
Reactでは、再レンダリングの最適化はパフォーマンスの向上に不可欠です。
「PureComponent」と「React.memo」という2つの重要なコンポーネントによって、不要な再レンダリングを防止し、このプロセス最適化を支援します。
PureComponentとReact.memoは、どちらもReactアプリケーションでの再レンダリングを最適化するための強力なツールです。
それぞれ実装の点においては異なり、PureComponentはクラスコンポーネントである一方、React.memoは関数型コンポーネントを使用します。
どちらもpropとstateを効率的に比較することで不要な再レンダリングを防ぐことを目的としています。
この違いを理解した上で、データの性質を考慮することで、Reactアプリケーションはよりスムーズでパフォーマンスが大幅に向上します。
PureComponentの使用
PureComponentは、内蔵されたshouldComponentUpdateメソッドを持つクラスコンポーネントです。
再レンダリングを決定する前に自動的にpropとstateを浅い比較を実行します。
propやstateでの変更が検出されなかった場合、コンポーネントの再レンダリングを防止することでパフォーマンスを最適化します。
しかし、PureComponentの比較は浅いため、深くネストされたデータ構造や複雑なオブジェクトの場合は効率的に変更を検出できず、予期しない再レンダリングが発生する可能性があるため注意が必要です。
React.memoの使用
React.memoは、関数型コンポーネントにおけるHOC(高次コンポーネント)です。
コンポーネントのレンダリング出力をpropに基づいてメモ化することで機能し、コンポーネントが再レンダリングされると、以前のpropと新しいpropを比較します。
このpropが同じであれば、再レンダリングを回避してパフォーマンスを最適化します。
PureComponentと同様、React.memoも浅い比較を使用します。正確な最適化を行う上で、深くネストされたオブジェクトや複雑なデータ構造を扱う場合は注意が必要です。
3.prop drilling(バケツリレー)とContext APIを習得する
prop drillingはReactでよく使われるテクニックですが、完全に使いこなすためにはテクニックが必要です。
コードを扱いにくくすることなく、深くネストされたコンポーネント間で効率的にデータを渡す方法を学びましょう。
そして、状態管理に関しては、基本的なstateやpropの受け渡しにとどまらず、Context APIの世界に飛び込んでください。
状態管理を効率化させ、コードベースをよりエレガントで保全しやすくする可能性を解き放ちましょう。
4.フック(hook)を使う
フック(hook)は、Functional Componentsのステートと副作用を管理することに関して、大変革をもたらしました。
経験豊富なソフトウェアデベロッパーとして、この最新のアプローチは受け入れるべきです。
useState
ユースケース:コンポーネントの状態管理用
状態管理のホームは、従来はクラスコンポーネントでしたが、フックがあるFunctional Componentsはよりシンプルで読みやすいことが証明されています。
useState のフックは、効率的なステート管理への第一歩であり、useState のフックを使えば、ステート変数の宣言や初期値の設定を、すべて関数本体の中で行うことができます。コンストラクタや this.setState() を呼び出す時代は終わりました…。
useStateは、コードをシンプルにできるだけでなく、ステートのライフサイクルをより深く理解できるようになり、コンポーネントが予測通りに動作するのが保証されます。
useState のフックは、小規模なプロジェクトでも大規模なアプリケーションでも、コンポーネントのステートを処理するための頼りになるツールになります。
useEffect
ユースケース:データフェッチや DOM 操作のような副作用の処理向け
データフェッチングや DOM(ドキュメントオブジェクトモデル)操作などの副作用の管理は、多くの React アプリケーションの基本的な部分です。
useEffect のフックは、この一般的な課題に対するエレガントなソリューションを提供し、可読性や保全性が損なわれることなく、Functional Componentsの中でこのようなアクションを実行できるようになります。
useEffect のライフサイクルと依存関係を理解した上で、機能面を詳しくみてみましょう。
useEffectで非同期リクエストと微調整されたアップデートを編成し、確実にアプリケーションはユーザーインタラクションにシームレスに反応します。
経験豊富なデベロッパーとして、useEffectを効果的に使いこなすことが、スムーズでレスポンシブなUX(ユーザーエクスペリエンス)をつくる手段となります。
useContextおよびuseReducer
ユースケース:複雑な状態管理をシンプルにする
複雑なステート管理には、useContextやuseReducerといったフックが命綱となり、そのフックは、共有ステートの管理や複雑なアプリケーションロジックの処理をシンプルにしてくれます。
useContextを使うと、prop drillingなしで上位コンポーネントからコンテクスト値にアクセスできるようになり、よりクリーンで保全性の高いコードになります。
また、経験豊富なデベロッパーであれば、useContextをフル活用することで、より直感的で効率的な開発プロセスが実現可能です。
複雑なステートの遷移に直面したときは、useReducerを使いましょう。ステートの更新を効率化させ、より複雑なアプリケーションロジックを管理できる構造的アプローチをもたらします。
また、useReducerを実装することで、複雑なステートフローの管理が強化されて、アプリケーションの予測可能性と信頼性が上がります。
5.一貫したコードスタイルの維持
React開発の世界では、コードの一貫性は、経験豊富なデベロッパーが軽んじてはいけないと理解している基本原則です。
単独のプロジェクトであれ、チーム内での共同作業であれ、統一されたコードのスタイルを守ることは、単なるベストプラクティスではありません。
これは、効率的なコラボレーションとコードの可読性を高める基礎となるのです。
Reactでコードの一貫性が重要な理由
複雑なReactプロジェクトに取り組んでいるチームの一員だと想像してみてください。
コードベースでどの部分で誰が作業していても、全体的な構造とフォーマットが一貫していることが保証されるので、チームの足並みを揃える役割を果たします。
そして Reactプロジェクトが成長するにつれて、一貫したコーディング標準でメンテナンスとデバッグがしやすくなります。
つまり、常にさまざまなコーディングスタイルに合わせることなく、自信を持ってコードベースを進んでいき、簡単に問題を見つけて変更を加えることができるということです。
Prettier と ESLint によるオートメーションの導入
経験豊富なデベロッパーは Prettier と ESLint という2つのツールをご存知のことでしょう。
これらのツールは、コードのフォーマットとスタイルチェックのプロセスを自動化します。
Prettierには、コードを自動的にフォーマットする機能があるため、コードレビューの際にコードのフォーマットについて議論する必要がなくなります。
Prettierのコードはバーチャルコードスタイリストなので確実にきれいで洗練されたものになります。
対するESLintは、コード品質を保守し、コーディング標準の実施や潜在的な問題の特定、そして一貫したコーディングスタイルの維持をサポートします。
このようなツールは、コードの品質を高めるだけでなく、開発プロセス全体をより効率化するために調和して機能します。
一貫性のためのコーディング標準の確立
チーム環境では、コーディング標準の確立と実装が最も重要です。
経験豊富なデベロッパーは、コーディングガイドラインを作成してそれを遵守することが、プロジェクト全体の一貫性の維持のための基本的な側面であることを認識しています。
この標準には、コンポーネント名やインデントの命名規則、コメントやスペーシングの扱い方まで、あらゆるものを含みます。
チームメンバー全員が同じコーディング言語で話すことを保証することができます。
6.明確なフォルダ構造を保つ
コンポーネントの数が増えるほど管理の複雑性は増します。
経験豊富なデベロッパーであれば、プロジェクト内の多くのコンポーネントでの管理において、システマティックなアプローチが重要であることはご存知でしょう。
このアプローチの土台となるのが、コードベースでの管理性を向上させる、構造化されたコンポーネント階層です。
整理されたわかりやすいフォルダ構成
きちんと整理された Reactプロジェクトのための最初のステップとして、明確なフォルダ構成を定義することです。
プロジェクトが「図書館」で、フォルダを整然と並んだ「本棚」だとイメージしてみてください。
各フォルダは、コンポーネントの特定カテゴリ専用の場所として機能し、簡単に探すことができるので綺麗なコードを維持できるようになります。
関連コンポーネントの効率的なグループ化
このようなフォルダ内で、関連のコンポーネントをグループ化するとどうでしょう?
コンポーネントを分類することで、ナビゲートしやすいコード景観が生まれます。
このアプローチによって、多数のReactコンポーネントを扱う場合でも、Reactプロジェクトのさまざまな部分へのアクセスや変更および拡張が簡単にできます。
この体系的なグループ化で、コンポーネント管理の簡素化だけでなく、開発チームへの明確なフレームワークの提供や、効果的なコラボレーションの促進が実現します。
大規模アプリケーションのコンポーネント管理
ここで、大規模なアプリケーションでのコンテキストの影響を考えてみましょう。
構造化されたコンポーネント階層と明確なフォルダ構造により、複雑で大規模なプロジェクトにもシームレスに対応できます。
これによって、アプリケーションの保守、トラブルシューティング、拡張が簡単に行えるようになります。
経験豊富なデベロッパーにとって、コンポーネントの整理は単なる技術的なことではなく、戦略的な取り組みでもあります。効率的なコード管理とチームの連携へのコミットメントです。
整理されたコンポーネント階層を維持し、体系的なフォルダ構造を実装することで、複雑な Reactプロジェクトが機能的であるだけでなく、エレガントな構造で保全性の高いものになることを保証します。
7.命名規則に従う
命名規則の一貫性は、React開発における単なる形式的なものではなく、コードの読みやすさと連携の鍵となります。
Reactプロジェクトを確実に理解・行うために、次の規則に従いましょう。
一般的な命名規則を探る
React のコミュニティで使われている最も一般的な命名規則を調べることから始めましょう。
一般的に、コンポーネント、変数、ファイルの命名規則がありますが、このような規則を理解するのは、他の人が理解しやすいコードを作成するための基礎となります。
さまざまなケーススタイルをいつ、どのように使うかを学ぶ
命名規則には、キャメルケース、パスカルケース、ケバブケースなどのケーススタイルが含まれることがよくあります。
このようなスタイルにはそれぞれ明確な目的とユースケースがあります。
以下で見てみましょう:
- キャメルケース:一般的に変数名や関数名に使用される。小文字で始まり、それ以降の単語には大文字を使用する(例:myVariableName)。
- パスカルケース: Reactコンポーネントやクラスの命名によく使われ、大文字で始まり、続く単語の最初の文字を大文字にする(例:MyComponent)。
- ケバブケース:ファイル名やディレクトリ名によく使われ、ハイフンで単語を区切る(例:my-component.js)。
わかりやすさを優先し、自分で説明できる名前をつける
規則を守ることは非常に重要ですが、コンポーネント、バリアブル、ファイルの目的や機能を伝える名前を優先することも同様に重要です。
目標は、コードをできるだけ分かりやすくし、コメントやドキュメントの必要性を減らすことです。
8.コンポーネントの読み込みの最適化
React 開発のダイナミックな領域では、パフォーマンスの最適化が鍵であり、まさにそれを達成するための貴重なテクニックとして「遅延読み込み」があります。
遅延読み込みは、実際に必要になるまでコンポーネントの読み込みを先延ばしにすることです。
このアプローチには、初期の読み込み時間の改善から効率的なリソース割り当てまで、Reactアプリケーションで多くのメリットがあります。
経験豊富なReactデベロッパーは、遅延読み込みの主な利点の1つとして、初期の読み見込み時間を最適化できることであると認識しています。
初期表示に必要な最も重要なコンポーネントのみを読み込むことで、アプリケーションをより速く開始し、ユーザーはよりレスポンシブな体験を得られます。
この戦略的なリソースの割り当てにより、アプリケーションの帯域幅を節約し、初期ページの読み込みが最小限に抑えられます。
これは、広範なコンポーネント階層があるアプリケーションにとって特に有益です。
Reactアプリケーションに遅延読み込みを実装するには、ReactのSuspenseとReact.lazy()の組み合わせが強力なコンビであることがわかります。
実際に必要になるまで特定のコンポーネントのレンダリングを一時停止することで、アプリケーションの効率が大幅に向上します。
これによって、クライアントサイドの負荷を軽減させ、全体的なUXが向上します。
Reactプロジェクトに遅延読み込みを組み込むのは、機能面だけでなく、優れた応答性とリソース効率があるアプリケーションを構築するための一歩であり、現代のWeb開発の要求に応えるものです。
9.Functional Componentsの活用
Functional ComponentsはReact開発で注目されており、クラスコンポーネントよりも多くの利点があります。
従来のReactアプリケーション構築方法であったクラスコンポーネントは、プロジェクトが大きくなるにつれて冗長になるので、フォローが難しくなってしまいます。
そのため、より多くのボイラープレートコードが必要になり、コンポーネントのコア機能を素早く把握するのが難しくなります。
一方、フックがあるFunctional Componentsでは、よりクリーンでわかりやすいアプローチがあります。
クラスコンポーネントをFunctional Componentsにリファクタリングするタイミングと方法を学んで、プロジェクトの要件に基づいて適切なコンポーネントタイプを選びましょう。
10.エラー境界の設定
強固なアプリケーションを開発するには、エラーの適切な処理が不可欠です。
経験豊富なフロントエンドデベロッパーは、エラーを未然に防ぐことが理想的であると同時に、エラーに備えることも重要であることを理解しています。
Reactのエラー境界について詳しく調べることは、アプリケーションを予期せぬクラッシュから守れるだけでなく、シームレスなUXを保証します。
エラー境界の領域を深く知るには、Reactコンポーネントのアーキテクチャを理解する必要があります。これによって、エラーを適切にインターセプトし、アプリケーション全体に影響が及ぶのを防ぐことができる
このレベルの制御によって、エラー境界を戦略的に実装し、アプリケーションの安定性を高めることができるのです。
経験豊富なデベロッパーは、このプロセスにおいてアプリケーションの特定のコンポーネントやセクションをエラー境界コンポーネントでラッピングすることが含まれると認識しています。
そうすることで、アプリケーション全体にエラーが連鎖してクラッシュするのを防ぎ、適切にエラーを捕捉して処理できるようになります。
Reactの開発を進めていくと、さまざまなコンポーネントにエラー境界を実装することが自然にできるようになります。
この境界はセーフティネットとして機能し、エラーが発生してもアプリケーションが機能し続け、ユーザーは貴重なフィードバックを得られるようになります。
そしてアプリケーションの保護だけでなく、適切に実装されたエラー境界は、エラーの根本原因に関する貴重なインサイトを提供します。
また、トラブルシューティングや、より高い信頼性を得るためのコードの微調整もできるようになります。
このアプローチは、Reactのコード自体だけでなく、CSS やJavaScript など、アプリケーションの他の重要な要素にも適用されるため、包括的で強固なソリューションがもたらされます。
ベストプラクティスでReactアプリケーションを構築する
Reactコンポーネントの理解を深め、フックを採用し、コードの一貫性を維持したベストプラクティスに従うことで、どんなReactプロジェクトにも自信を持って取り組めるようになります。
今回紹介したベストプラクティスは構造化されたコンポーネント階層、命名規則、遅延ローディング、Functional Components、エラー境界と組み合わせることで、Reactの達人への道が開けます。
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